2013/1/30（水）-2/5（火）　11:00-18:00（初日13:00より、最終日14:00まで、日曜祝日休廊）

ネット回線にて送られて来る河口洋一郎氏のデータは、氏のオリジナル作品で在りコピーでも在ります。それを私が「キモノ」にデザインし、プリンターで出力するのだが、制作したデータはいくつものコピーを作り出す事が出来るのです。この様なオリジナルとコピーの関係は、作品における主体の存在を曖昧にしている。そしてこの主体の曖昧さは、デュシャン以降の現代美術にも通じるものがあり、完全分業制の工芸にも同様の感覚を覚える。
思えばこの6年間、河口氏はデジタルクリエータの「立ち位置」から工芸的アプローチをされ、私は染色の「立ち位置」から現代美術的なアプローチを試みていた様に思います。そしてこの主体の曖昧な仕事は、それ故に半ば強引に私の殼を破ってくれた様に受け止めて居ります。
さてこのたび、関係各位の御協力により、私（山本正記）の「立ち位置」からの、この6年間を振り返る機会を頂きました。御高覧を賜れば幸いです。
山本 正記